ウッドデッキのメンテナンス(塗装について)

当社のウッドデッキ用木材は極めて耐久性が高いので、基本的にはメンテナンスしなくても問題ありません。住宅の3年、5年はあっという間に経ってしまうものですが、15年経ってもびくともしないウッドデッキを見るとき、良質材にしたことの充実感とトータルコストの安さにきっと満足されることでしょう。

ただ、木材を外部に放置すると数ヶ月の間に表面にひびが入ります。これは外気に触れる部分と内部の収縮のスピードが異なるために発生するものです。
ひび割れを出にくくするためには、塗装して表面に塗膜を作ると水分の急激な発散、吸収が抑えられて効果的です。表面だけでなく、裏面や木口など、全面に塗布するといっそう動きが少なくなります。

また、ウッドデッキの色は最初は木材本来の色ですが、太陽の紫外線と雨風にさらされると表面の樹脂分や色素が抜けてしだいに銀灰色~茶灰色になります。

完成直後の美観を重視する場合、輸入材特有の汚れや色むらが気になることがあります。 材の色もデザイン面で考えると重要な要素なので、美しく仕上げたり、材色を維持したい場合には塗装して色を補うと同時に、紫外線による劣化を防いで表面の色素や樹脂が抜けるのを抑えます。

木材には微小な凹凸があり、くぼみに汚れが入り込むとなかなか取れません。その意味では、塗装しておくと汚れが付きにくくなるので初回だけ塗装しておくのもお勧めです。

このたび、クリアー仕上げができる水性撥水塗料「ハッスル・撥水君」が発売されました。
「ハッスル・撥水君」は表面に塗膜を作ることで水分の急激な発散、吸収を抑えて、ひび割れを出にくくします。この塗料はオイル系塗料の塗膜よりも厚いため、水分の発散を効果的に抑え、他方、柔軟性があり木部に浸透するため、ウレタン塗料やニスのようなめくれ、はがれが生じません。表面だけでなく、裏面や木口など、全面に塗布するといっそう効果的です。

また、ウリンなどの濃色の色素は水溶性の成分が多いため色の付いた樹液が出て、雨だれの流れる部分や地面に黒く染み込みますが、「ハッスル・撥水君」を裏面や木口にも塗っておくと、木部に水が触れないため、周囲を汚す心配も少なくなります。

ハッスル撥水君をお勧めするもう一つの理由は塗料が劣化する際に美観を損ねない点です。長期短期の差こそあれ、塗料は必ず劣化して材面から脱落していきますが、アクリル樹脂系(キシラデコール等)のように表面に厚めの膜を作るタイプの塗料は、劣化する際にぽろぽろと落ちて塗膜の残っている部分とはっきりコントラストが出るのでかなり見苦しい状態になります。別の塗料では導管部分が劣化して白くなり、それが次第に拡がることもあります。ハッスル・撥水君は木材との密着性に較べて塗膜の結合力がさほど強くないので少しずつ削り取られて薄くなるため、徐々に白木に近い状態になります。次第に無塗装に戻るような劣化です。人の移動する動線が決まっている場合でも、よく歩いた部分と歩かない部分、そして中間がそれなりに劣化するので、どの状態でも人工的な見苦しさを感じさせません。初回だけ塗装しておいてひびを少なくするという役割を終えたら、自然に脱落して材が銀白化していきます。

自然志向で、安全性を重視する方には植物油を主成分とした健康塗料「オスモカラー ウッドステインプロテクター」をお勧めします。なじみがよく、浸透性も良好です。溶剤にトルエン、キシレンを含んでいないため、匂いも穏やかで、人体にも自然にも安全な塗料です。防腐防かび剤を配合しているにもかかわらず毒性がきわめて低いのが特徴で、ウッドデッキ材の質感を損なうことなく、色むらをカバーして美しく仕上げます。施工後の仕上がりを重視する方に特にお勧めします。 通常は1~3年に1回の再塗装ですが、硬い材の場合は1年~1年半に1回塗ってください。吸い込みが少ない分、塗料の消費量はかなり少ないので、コスト的にはさほどかかりません。初回だけの塗装もOKで、木材の微小な隙間に塗料が入り込むことで、その後もよごれが付きづらくなります。こちらも劣化するに従って徐々に白木に近い状態になるので見苦しさはありません。色は維持したいがメンテナンスを続けられるか自信が今ひとつということなら、ウッドステインプロテクターが好適です。

また、アフゼリア、セランガン・バツー、サーモパインにはクリアー(透明)仕上げが可能な「オスモカラー 外装用クリアー”プラス”」もお勧めです。こちらは外部にもかかわらずクリアー(透明)仕上が可能な画期的な塗料です。従来の外部用塗料は擦れに弱いため壁面等にしか使用できないものと、擦れに強くても紫外線を遮断するために顔料を配合して木材を着色するタイプのみでしたが、外装用クリアー”プラス”は透明なクリスタルを配合することで、紫外線を吸収、乱反射して木部を紫外線によるダメージから守ります。防腐防かび剤を配合しているので、サーモパインに塗布するとウッドデッキとしての寿命も確実に延びます。通常は1~2年に1回、再塗装してください。木地を生かした仕上がりになり、材の白銀化を防ぐので、長い間施工直後の雰囲気を保ちます。ただし劣化の際には部分的に塗膜がはがれてくるので、継続的なメンテナンスが必要です。

もっともお勧めしたい塗装方法は、施工前に「ハッスル・撥水君」を全面に塗布して、施工中に木口(断面)にも塗っていきます。そして2~3ヶ月後にオスモカラー(半透明)を上塗りする工程です。
ひび割れは施工直後がもっとも進行が早いので、「ハッスル・撥水君」でこれを抑え、次にオスモカラーで施工当初の材色を維持します。オスモカラーをそのまま上塗りできるのも「ハッスル・撥水君」の特長です。