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ウッドデッキ材の品質について

当社は日本最大の木材の集散地新木場(東京)で、70年余り製造問屋を営んでいます。販売は建材問屋、納材業、工務店様を対象にしているため、ホームページ上で販売しているウッドデッキ材も、全て業務用グレードになります。

一般にネット上で販売されているグレードとの違いは、たとえば材の端と端を結んだ直線から中央部分で横そりを測ると、ネット販売の許容範囲は表面材で1%程度が多いようです(「 軽微なものは許容 」といった表現も見受けられますが、これは1%以上を指します)。1%の基準で業務用に出荷すると、ロスが多く、長さのカットや穴開け、ビス止めに施工手間がかかりすぎて苦情が出るので、業務用グレードでは0.5%を許容範囲としています。実は施工上でもっとも問題になるのが横そりです。当社は長さの0.5%を許容範囲としていますが、それでも長さ2mのウッドデッキ材では最大10mmのぶれが出ます。このままでは施工できませんが、2mで10mmのそりのある材を1mにカットすると、そりは2..5mmに減少(理論値)するので、そりの大きい材は現場で根太間隔にカットすることでそりを分散させて、なんとか納めていただいています。

ちなみに横そりの許容範囲を1%にした場合、長さ2mでは最大20mmの横ぶれが出て、これを1000mmにカットしても5mmのそりが生じます。これでは隣の材との隙間がほとんどなくなるか大きく開いて施工できないので、長さをさらに短くカットする必要があります。そりが1%の場合、通直材との誤差が2.5mmになるための材長は約700mm(理論値)です。すなわち横そりを2.5mm以下に納めたいなら、根太間隔は700mm以下にする必要があります。板厚30mmを使用する場合の根太間隔は通常900~1000mmなので、1%を許容する基準では使えない材が含まれていることを了解し、ロス分を大目にみてておく必要があります。なお、板厚20mmを使用する場合の根太間隔は通常500~600mmでそりは1.5mmに納まるので、こちらなら1%でも施工可能なことがわかります。もっとも、横そりの少ない方がカットしてのつなぎ直しも少なく、手間がかからないことは言うまでもありません。

実は横そりの検品基準は輸出地でも当社基準とさほど変わりません。ところがウッドデッキ材は出荷後の輸送、在庫期間中に材の乾燥が進んでさらに動くため、ロスが出るのを嫌ったり、商品発送時の検品を省略したい場合は、基準をゆるめて流通させているのが実状です。現地出荷後のハネ出しは輸入側の負担になるため消極的な業者が多いのですが、当社は経験豊富な社員が再度検品を行って品質の維持に努めています。

業務用では、品質が悪いと施工のスピードに重大な支障が出て、かえって施工コストが高くついてしまうため、欠点の混入率が低いものを要求されます。ただし、多少の欠点は現場での切り廻しで対応できるため、若干の混入は認められていて、100%良品の場合に比べると、その分、価格は安くなっています。ウッドデッキ材の施工性という観点から品質と価格がもっとも折り合っているのが、業務用グレードといえます。

輸入木材の場合、個々の欠点は基準内に納まっていても、複数の欠点があって実際にはウッドデッキとして使用できないものも混入しています。これらはメーカーへのクレームの対象にはできないため、そのまま販売されてしまうことが多いようです。当社では施工に影響が出るかどうかを総合的に考慮して、個々の基準よりも厳しく判断しています。基本的には、根太間隔での切り廻しで対応できるものについては出荷しますが、それが難しい場合には販売せずに格外品に落としています。

DIYユーザー向けに販売されているウッドデッキ材は業務用グレードに通らないランク落ちの材や、それを業務用グレードに混ぜたものがあるようですが、DIYユーザーが施工する場合も欠点の少ない方が楽なのは当然なので、当社はランクを落とすことなく、100%業務用グレードの製品を販売しています。

業務用グレードとそれ以下のグレードとの区別は表現が難しいのですが、横ぞりの許容範囲で見ると比較的簡単にわかります。当社は最低価格保証や送料サービス等はありませんが、施工する皆様のご要望にお応えするべく、掛け値のない正直品質、正直価格でウッドデッキ材を提供しています。

さらに、当社は内装材を多く扱っていることもあり、ウッドデッキ材にも内装材とまったく変わらない商品管理を行っています。到着後の商品はすべてシャッター付きの倉庫に保管して雨には絶対に当てず、フォークリフトでの商品移動でも傷を付けないように細心の注意を払っています。ブルーシートで覆って更地に保管するような環境ではどうしても汚れや傷が付きやすく、発送時の検品でも大目に見てしまいがちですが、当社では輸入品という事情もあって到着前の多少の汚れや破損は避けられないものの、入荷後の汚れ、傷は皆無と自負しています。

プロ仕様の良質のウッドデッキ材をぜひご利用ください。

当社出荷時の品質基準は下記になりますのでご覧ください。
表裏のどちらか良好な面が下記基準を満たしているものを良品としています(フェンス用を含む)
万一、不具合がありましたら、到着1週間以内にお知らせください。

ひび・割れ
木口(木の断面)割れの場合は、全長の10%程度は許容範囲。ただし30cmを最大とします。細かいひびは部材面に広がっていても耐久性に問題はありません。材の表面上の割れ(木口以外)に関しては、芯に達する割れは長さに対し5%以内、それより浅い割れは、10%以内とします。
そり・曲がり
表面材:横のそりは端と端を直線で結び、中央のふくらみを材長の0.5%以内とします。縦のそりは中央のふくらみを7cm以内とします。
表面材以外:端と端を直線で結び、その中央のふくらみを材長の1%以内とします。
サイズの誤差
ウッドデッキ用の木材の含水率は通常25%~35%程度のため、輸送中を含め、納品前、納品後に幅に対して0~5%ほどの収縮が発生する材があります。水分は木口(両端)から多く放散されるため、一般的に木口の収縮が大きくなり、幅で1~2mmの差が出ることがあります。また、 ロットによって幅がばらつく場合もありますので、長さを繋ぐ際には幅の近い材を選ぶなどして施工を行ってください。木口は水分の放散が大きく、ひびの入っている場合が多いので、余裕があれば数cmカットすることをお勧めします。
サイズの誤差 長さ:-1.0%~+5.0%およびそれ以上(ジャストカットではありません)。 幅:+1%~-5%以内。 厚み:±5%以内。
なお加工機の構造により、片端の厚みが薄くなることがあります。その際は片端数センチをカットしてお使いください。
丸み・欠け・キズ
長手方向の丸み・欠け等は、長さの15%以内とします。また、引っ掻きキズ、フォークリフトキズ等は軽微なものは許容とします。
面材の表面
水濡れ跡、バンドル跡、桟木の跡、ほこり、汚れ、オイルのシミ跡、ロウのコーティング等は許容とします。逆目(材の毛羽立ち、荒れ)やプレーナーの削り残し、キズは表面積の10%以内とします。
表面の汚れは日光や雨に当たってしばらくすると周囲に馴染んで目立たなくなりますが、美観を重視する場合には、水洗いした後に木材の色に近い半透明の着色塗装をお勧めします。(オスモカラー ウッドステインプロテクター等)
ピンホール(虫食い)、節
立木のときに入り込んだ小さな虫による穴で、セランガン・バツーや時にイペ、ウリンにも見られます。伐採後にはいなくなってしまい、ピンホールが木の耐久性や強度に影響が出ることはありません。
節付き材の表記がない樹種でも、まれに小さい節が入る場合があります。
カビ、変色
カビ、変色は季節により発生することがありますが、表面に付着した埃に生じているだけで耐久性には問題なく、雨等の水がかかると脱落して、しだいに目立たなくなります。美観を重視する場合には、水洗いした後に木材の色に近い半透明の着色塗装をお勧めします。(オスモカラー ウッドステインプロテクター等)